特集
- 金城さん
基本情報 | |
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名前 | 金城さん |
場所 | 糸満市 |
作物 | レタス |
農家歴 | 15年 |
今回訪れたのは糸満市真壁のレタス農家さん。県内では数少ない貴重な朝採りレタスを出荷する農家さんです。
まだ真っ暗な夜明け前に畑を訪れると、車のライトに照らされた先に、一人の農家さんが黙々と作業をしていました。周りの畑はひっそりとしていますが、そこだけ収穫が始まっています。 朝採りレタスはその名の通り、夜も明けきらない早朝から収穫した新鮮なレタスのこと。県外のレタス産地ではポピュラーな収穫方法ですが、県内になるとその方法を行う農家さんはぐっと少なくなります。こちらの農家さんは5年ほど前から朝採りレタスへ移行したとのこと。朝からの作業は大変ですが、「やはりおいしさが違う。そこがこだわり」なのだそうです。毎日4時半ごろから収穫を始め、11:00ごろには出荷。1日に500~600玉を出荷しています。
- 新鮮な朝採りレタス
- レタスはとても繊細
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今回取材をしていてわかったのは、レタスはとても繊細な野菜だということ。育てるのもとても大変です。「レタスはほとんど水分でできているので、暑さには敏感なの。水を熱くすると沸騰するでしょ?それと同じで、暑すぎると葉の中が沸騰するようになって弱っちゃうんです」とお話してくれました。さらには雨風にも気を使います。沖縄独特のスコールのような雨が降ると、それだけで葉に傷がついて痛むのだそう。また強い風も天敵です。強い風にさらされると葉と葉がこすれあって、傷んでしまうのです。そんな繊細なレタスなので、水をやるときも特別。通常、畑などでよく見るスプリンクラーによる水やりでは水流が強すぎるので、レタスとレタスの間に黒いホースをはわせ、そのホースに開いている細かい穴から出るミスト状の水で水分を与えているのだそうです。なんだかかわいい女の子を育てているような感じがしました。私たちが何気なく食べているレタスは大事に大事に育てられています。
- 朝採りレタスを発見したら、買い!
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朝採りレタスがおいしい秘密を調べてみると、「昼間蓄えたでんぷんを夜のうちに糖分に変えるため」なのだそう。そのため早朝が一番甘くておいしいのです。一番おいしい状態で収穫し、加えて県内で朝採りすることで、新鮮さはどこにも負けません。希少な県産朝採りレタスをお店で見つけたら「絶対に買い!」なのです。
※このレタスはイオン・マックスバリュ各店舗で販売しています。
(一部店舗を除く)
- 出荷~店頭まで最短わずか3時間も
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県産の朝採りレタスがどれだけ新鮮かというと、通常のレタスが出荷~店頭に並ぶまで30~40時間かかるのに対し、朝採りレタスは最短で3時間で店舗に並びます。店舗までの距離にもよりますが、最大で7~8時間では店頭に並ぶそうです。市場を通さないためこのような配送が可能になります。また出荷の際はレタスが傷まないように芯の切り口を水で洗うひと手間を農家さんで行い、店舗への配送の際も冷蔵車で運ぶなど私たちの手に届くまで新鮮さを保つ努力を怠らないので朝収穫したままのレタスが店頭に並ぶのです。
今回の取材で、良いレタスの見分け方を農家さんが教えてくれました。芯の切り口を指で押してみて適度な弾力があること。固すぎたり、やわらかすぎたりするのは少し旬を逃しているそうです。またレタスの外側の葉はかためで食感がしっかりしているので炒め物に、内側の葉は水分が多くやわらかいためサラダなどの生食に向いているそうです。料理によって使い方を分けてみてくださいね。
取材日:2012.03.7