オリオンビールが取得
豊見城とみとん不動産
オリオンビールが取得
豊見城市内にある商業施設「豊崎ライフスタイルセンターTOMITON(とみとん)」の土地と建物をオリオンビール(浦添市、嘉手刈義男社長)が取得していたことが6日、分かった。取得金額は30億円超とみられる。不動産投資の一環。所有権が東京の企業から県内企業に移転されたことで、地元のニーズにより合った施設運営が可能になると期待されている。
同施設の敷地面積は3万平方メートル、延べ床面積は約2万6千平方メートル。2007年に不動産開発会社のゼファー(東京都)が開発し、現在ザイマックスプロパティズ九州(福岡市)が運営、約40のテナントが入居している。同土地と建物はゼファーが08年に民事再生を申請後、東京の別の企業が取得、売却先を探してた。
オリオンビールは4月末時点で信託銀行を介して債権を取得。実質的な所有者となり、施設運営から出る収益の一部を受け取る。運営会社のザイマックス社は「広報活動や運営面で地元に密着した企画で連携できるようになる。地元企業として地域活性化に貢献するようなイベントも増えるのではないか」と期待した。
少子高齢化で国内の酒類市場が縮小傾向にある中、オリオンビールはビール事業以外にホテル開発や太陽光発電事業、不動産関連事業など新たな収益の柱を育てて、経営基盤の安定化につなげたい考え。オリオンの嘉手刈社長は「経営基盤をしっかりとさせた上で、地元の企業として地域の振興に役立つことができればと考えている」と話した。
オリオンビールが「とみとん」の債権を取得したことにつて宜保晴毅豊見城市長は「地元の有力企業が運営に関わる形になった。さまざまな企画を打ち上げて、地域を盛り上げてほしい」と話した。
(座安 あきの)
2014年 6月 9日 沖縄タイムス