特集
- 新垣美智子さん、のり子さん、光雄さん、正雄さん
基本情報 | |
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名前 | 新垣美智子さん、新垣のり子さん、新垣光雄さん、新垣正雄さん |
場所 | 南城市 |
作物 | しょうが |
農家歴 | 1~2年 |
今回訪れた南城市しょうが農家の新垣光雄さん、新垣正雄さん、新垣のり子さん、新垣美智子さんも、しょうが栽培暦1~2年の農家さんです。これまでさとうきびを主としてきましたが、年齢とともに重労働である収穫作業が難しくなってきていました。その頃に沖縄でもしょうがが育てられるということを聞き、みやぎ農園さんからアドバイスを受けながらしょうがの栽培を始めたのだそうです。
新垣さんたちが育てているのは大しょうが。収穫時のしょうがのひとかたまりが大きく、繊維質が少なく柔らかいのが特長です。しょうがを育てるのに大事なのは水分の管理といいます。しょうがの成分の90%以上が水分。そのため水分不足は繊維質が多くなる原因となり、食感が悪くなります。ただ、水分がありすぎるのも根腐れを起こしてしまうので問題。水分不足は良くありませんが、水はけが悪いのも良くないのです。南城市のジャーガルという土壌で水はけが悪いのでその対策は怠りません。しょうがを植えるのは30センチほどの高さの畝の上。畑の中でも一段高い場所に植えることにより、雨が大量に降った際も根が水につからないようにし、水腐れを防いでいます。
- 共に頑張るしょうが農家さん
- しょうがを育てる上で大変なことはありますか?
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台風対策には気を使っています。しょうがは風にあおられ、茎が折れてしまうと、そこから腐ってしょうが全体がだめになってしまうため、防風対策もしっかり行っています。一つ目にしょうがの上にミニハウスのようなネットをかけ風よけにしています。また二つ目にしょうがが植えられている畝のさらに40センチほど上部に、10センチ✕10センチの網目状のネットをはり、その網目の中にしょうがの茎が伸び成長していくようにし、風で大きく揺れて折れないような対策を行っています。三つ目に畑の外側にフェンスを設置し、ネットをはることで畑全体の風も抑えられるようになっています。このような対策が功を奏し、台風が来ても大きな被害がなく、成長してくれます。
これからの目標は、まず一つ一つのしょうがを立派においしく育てること。まだまだ始まったばかりだからどんどん良いしょうがをつくる努力をしないと。年配になっても育てることができる、比較的どんな土壌でも生育が可能、栽培方法を工夫すれば台風の影響も受けにくいなど利点があり、何より消費者に求められているしょうが。南城市のしょうが栽培が大きくなり、沖縄県のしょうがが大きくなるのかもしれません。
- オススメの食べ方教えてください
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普天間さんはそのまま好みの硬さに茹で、ドレッシングをかけて食べるのが好きなんだそう。「お酒に合いますよ」とご主人。ドレッシングはゴマがお勧めですが、マヨネーズしょう油も捨てがたいというお話です。
奥さんからのおすすめは、沖縄の定番料理いんげんの3色揚げ。魚肉ソーセージといんげんと、普天間さんの家ではチーズを一緒に揚げるそうです。チーズを入れると美味しいです。
- ぽかぽか、生姜レシピ
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寒い冬に嬉しいのが体を温めるしょうが料理。農家さんでは様々な料理にしょうがを使っています。「しょうががたくさんあるときには、しょうがをおろしてジッパーつき保存袋に入れ、冷凍庫に入れてちょっとずつ使うのが便利」と教えてくれたのは城間好美さん。そば汁に少し入れたり、味噌汁、豆腐の冷奴、肉料理、魚の煮付け、チャーハン、炒めものなどに使うそうです。また新垣のり子さんが教えてくれたのはしょうがのしょゆに漬けておくだけのレシピですが、しょうがの風味を料理に生かすことができます。良く使ったしょうがはみじん切りにしてご飯の上に乗せて食べても絶品です。なかなか主役にはならないけれど、こんなに大事な脇役もそういません。しょうがは、どんな料理にも使える万能食材なのです。
万人に愛されるしょうがの栽培が南城市から広がろうとしています。
体が温まり、風邪予防にもなるなど健康食材として根強いブームののしょうがはこの1、2年、南城市でも栽培が始まっています。しょうがの原産地はインド。実は、暑い沖縄で栽培するのは適しているのです。まだまだ始まったばかりのしょうが栽培。良いしょうがを作ろうという熱意にあふれている生産者のみなさん。水対策、風対策など丁寧に行い、年々良いしょうがを生産しています。今後も南城市のしょうがは目が離せません。
取材日:2013.10.15