特集
沖縄県農業研究センターでは、優れた特性を持つ新しいゴーヤーの品種を作るため、
さまざまな在来品種を日々栽培、研究しています。
今回は「世界のゴーヤー展」を開催中の研究センターにおじゃまして、
普段はなかなか見られない、珍しいゴーヤーに会ってきました!
ゴーヤー発祥の地はインドを中心とする熱帯アジアとされています。その後中国に伝わったのが14世紀末、日本にも16世紀末~17世紀にかけて伝わったと言われています。
沖縄では「琉球国由来記」(1713年)に、苦瓜についての記載があるので、その頃には伝わっていたと考えられています。
ゴーヤーは東南アジア一帯に広がり、いまでも広い地域で栽培されています。ゴーヤーってどれも同じかと思ったら大間違い!
それぞれ形や色、栽培のしやすさなど違いがあります。研究センターで作った品種は「群星」「汐風」「島風」「夏盛」で、特に「汐風」は他のゴーヤーと違い、秋から冬にかけて栽培される品種。このおかげで一年中ゴーヤーが食べられるんですね!
そんな品種改良の元になっている様々なゴーヤー。
畑には28種類のゴーヤーが植えられていました。
実は沖縄県内の在来種といわれるものも、地域によって特徴があって、豊見城、糸満、具志頭、宮古島など、ほかの地域とは明らかに性質の違うものが集められていました。
普通のゴーヤーと比べて、倍近くの長さになるもの。またアバシーという名前でおなじみの大きくてガッシリしたゴーヤー。豊見城に多い、このいかにもゴーヤーらしいゴーヤーは、沖縄らしいということで本土で人気があるそうです。
海外から来た品種は主に、タイ、中国、台湾などからのもの。カボチャのように丸くて、ツヤツヤのもの、バラのトゲのように、粒々が尖っているもの。熟しても緑にならない白いゴーヤーなどさまざま。
白いゴーヤーは緑色のゴーヤーとくらべると苦味がマイルドで、和え物やサラダにお勧めとのことでした。
原種に近いといわれているのは、小指の先ほどの小さなゴーヤー。これで一人前なんだとか。
ゴーヤーは、一般的に小さい品種のほうが苦いそうです。だから原種に近い小ぶりのものほど苦みが強いということでした。
研究員の方に、東南アジアではゴーヤーのツルの若芽を食べる地域もあるということを伺ったので、それではとわれわれ取材班もちょっと千切らせてもらって、生のまま口の中へ...。
なんと!ゴーヤーの苦味そのままでした! あまりに苦さにそのままじゃ無理とお手上げだったのですが、チョッピリならサラダや炒め物に使うのもありかも?
- ここでは原種に近い品種から、沖縄で新しく作られた品種まで、さまざまなものが育てられていました。
このたくさんの苗から、今後は味や栄養素の違う、新しいゴーヤーが生まれるかもしれません。
そうなると、またまたゴーヤーレシピの幅が広がりそうですね。
夏の暑さに負けないツヤツヤのゴーヤーをいっぱい食べて、元気に夏をお過ごしくださいね!
更新日:2011.07.01