いえじま小麦で観光誘客
全粒粉ビスコッティ・そば開発
香り・少量生産魅力に
伊江島で小麦粉を使った地域おこしが始まっている。
「いえじま小麦」と銘打って観光客を呼び込もうと、
島内で観光業を営むタマレンタ企画がホテルコスタビスタ沖縄(北中城村)と共同で、伊江島そばや全粒粉ビスコッティなどを開発。
伊江村小麦生産事業組合(新城良和組合会長)や加工業者と連携して、6月から島内での本格販売に乗り出す。
収穫の少なさを逆手にとって「島に来ないと味わえない」とアピールし、誘客の呼び水にする考えだ。
タマレンタ企画が、県産業振興公社の中小企業課題解決・地域連携プロジェクト推進事業を受託。
25日までに、菜の花の若葉を練り込んだマーナパン、全粒粉ビスコッティ、全粒粉を配合した伊江島そばの3品が完成した。
伊江島は小麦の一大産地として知られていたが、葉タバコやサトウキビへの転作奨励が進み、生産は衰退していた。
在来品種があり、個性的な粗さや高い香り、栄養価の高さは魅力で、タマレンタ企画のの玉城堅徳社長は「観光の土産にも使えるので、農家に小麦を作ってほしいと要望した」という。
昨年9月に農家16戸でつくる同組合が立ち上がり、EMを活用した有機栽培に取り組んでいる。
作付面積は約10万平方㍍で、3~5月に30~35㌧が収穫できる見込み。
1人当たり200~250㌘で料理すると4万食ほどしかない。
生産量はまさ少ないが、「島に行けば食べられる」という珍しさを売りに、観光客の呼び込みを図る。
今後、島内でいえじま小麦を買い求めた客に会員証を発行し、島外への発送は会員のみに限定するなど付加価値を高める仕組みをつくる。
玉城社長は「民泊で訪れる子どもたちは年間約5万人。滞在中に1食はいえじまも麦を使ったものを食べてもらいたい」と語った。
平成25年2月26日 沖縄タイムス
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