バリアフリーな沖縄料理
NPO法人が介護食本 73品のレシピ紹介
かむ力が弱まったお年寄りに食べ慣れた沖縄料理を楽しんでもらおうと、
NPO法人バリアフリーネットワーク会議(親川修代表)がこのほど「うちなー介護食基礎マニュアル」を発刊した。
軟らかく調理するこつや、見た目にこだわった73品のレシピを掲載。
お年寄りの食欲増進を目指し、介護現場や飲食店での活用を広げようとPRしている。
障がい者の観光支援に取り組む同NPO。利用者から「軟らかくした沖縄料理が食べたい」との要望が寄せられ、
県内の介護食を調べたところ、多くが和食だった。
介護関係者からは「介護食が食べ慣れた沖縄料理ではなく、お年寄りの食が細くなった」との声も聞こえてきた。
そこで「食のバリアフリー化」を打ち出し、本年度の「県地域支え合い体制づくり事業」を受託。
管理栄養士やシェフらが考案した料理を本にまとめた。
レシピは沖縄そばや魚汁、ゴーヤーチャンプルーなどの定番のほか、三枚肉・昆布・ゴボウなどの重箱料理も。
ミキサーでとろとろにした「ペースト食」。食材の形を残した「やわらか食」に分けて紹介。
ミキサーの前にゆでた野菜の繊維を切るなどのワンポイントや、のどに詰まらないように、
適当な軟らかさに仕上げるためのとろみ剤の分量などを細かく記した。
今月7日には一般向けの講座を開き、25人が調理実習や基礎講座で介護食を学んだ。
レシピ作りに協力したシェフの長谷部豪さんは「彩りや香りが食欲増進の鍵。ワンランク上の調味料を使うと風味が上がる」とアドバイスした。
親川代表は「婦人会や宅配サービスなどの地域活動のほか、飲食店関係者も参考にしてほしい。今後も県内各地で講座を開き、うちなー介護に食を広めたい」と話した。
平成24年11月16日 沖縄タイムス
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