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沖縄産マグロPR3年計画       県、品質証明へ測定器

「沖縄でマグロが捕れるのか」「『美ら海まぐろ』って何」ー。全国3位の生鮮マグロの水揚げ量を誇り「沖縄美ら海まぐろ」のブランドを持つ一方で県内外の反応が芳しくないとして、県は2014年度から県産マグロの認知度向上化事業に乗り出す。3年計画で品質面を保証する仕組みを構築。従来の仲買人の目利きに加え、これを裏付ける基準を数値化することで県産マグロの一層の付加価値向上を図り、消費拡大と漁業生産額の増加につなげる。 (粟国祥輔)

海に囲まれた沖縄は漁場が近く冷凍マグロではなく、生鮮の状態で流通しているのが特徴。旬が異なるクロマグロ・メバチ・キハダ・ビンナガ(トンボ)の主要4種を、年間を通して食べることができる全国でもまれな地域でもある。県は12年2月に「沖縄美ら海まぐろ」の名称を商標登録し、そのブランド化に水産業界を挙げて取り組んでいる。

しかし、ブランドの浸透は思うように進んでいない。観光客が沖縄の魚に抱く「カラフルな熱帯魚」のイメージは根強く、県民の間にもマグロ産地としてはほとんど認知されていないのが実情で、消費・需要拡大の機会をう失っている。

3年間の「マグロの産地OKINAWA認知度向上化事業」では、ブランド力を高めるため「美ら海まぐろ」の基準の明確化と数値化に取り組む。一括交付金を活用し、初年度は調査委託費用約1500万円を予算化した。

マグロは捕獲の際、暴れると次第に血が全身を回りやがて塊(焼け)が残る。このため漁では即殺し、すぐに氷で冷やす鮮度処理が欠かせない。だが、競りで仲買人が尾の断面をみて鮮度を目利きする現状では「焼け」まで正確に捉えることに限界がある。

このため「測定機器」の導入を検討。マグロは暴れると乳酸を分泌するため「ペーハー(pH)測定機」を具体的に想定している。脂分を測る機器などもそろえ、伝統的な仲買人の目利きによる評価を裏付け、信ぴょう性を高める。県水産課は「県産マグロの認知度が上がると需要が伸びて供給側の魚価向上につながる。波及効果は大きい」と強調した。 

【ことば】沖縄県のマグロ漁業

2012年のマグロ類の生産量は8755トンで全魚種の約57%、生産額は60億円で約59%を占める。クロマグロ・メバチ・キハダ・ビンナガ(トンボ)の4種類が水揚げされ、「生鮮」が主流となる。12年の生鮮マグロの水揚げ量は4977トン(全国155港統計値)。4種合計で全国4位、ビンナガを除くと全国3位の水揚げ量を誇る漁船数は近海・沿岸含め計119(08年漁業センサス)。

 

2014年 6月 5日  沖縄タイムス