特集
- 南風原町 金城親さん、大城盛安さん
基本情報 | |
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名前 | 金城親さん、大城盛安さん |
場所 | 南風原町 |
作物 | スターフルーツ |
農家歴 | 約7年 |
マンゴー、パイナップルなど沖縄には美味しい果物が多くありますが、スターフルーツは人気上昇中の新しいトロピカルフルーツです。
スターフルーツは正式には「ゴレンシ」という名前の果物ですが、輪切りにした形状が星型であるため、「スターフルーツ」と呼ばれています。全国の生産量の7割が沖縄で生産されており、県内最大の産地が南風原町で、県内生産の7割をしめています。農家の金城親さんによると、南風原町では40年前に台湾から苗が運ばれスターフルーツ栽培が始まりました。昔は酸味の強い品種が多かったようですが、品種改良などがすすみ、最近は甘みのある甘酸っぱい味わいのスターフルーツが主流になっているとのこと。
スターフルーツはつぎ木で比較的簡単に交配ができることや年に数回にわけたくさんの実がつくなど、育てやすい点などから南風原町で着実に生産量が増えていきました。
スターフルーツの収穫時期は年に2回ほどで、9月~11月と1~3月が収穫のピーク。今回取材で訪れた金城親さんと大城盛安さんの畑もスターフルーツがたわわに実っていました。金城さんと大城さんがスターフルーツを育て始めたのは今から約7年前と言います。最初は地面から50~60センチほどのスターフルーツの木から栽培をはじめたのだそうです。成長が早いスターフルーツの木は、すぐに背丈ほどになります。収穫しやすい高さ(背丈より20~30センチほど上)に棚を作り、そこに枝をはわせ栽培するのが一般的です。
- スターフルーツ栽培を担う若き農家さん
スターフルーツタルト
- さわやかな風味を活かしたタルト
材料 | (直径15cmサイズ1個分) |
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<スターフルーツコンポート> | |
スターフルーツ(薄い輪切り) | 3個 |
砂糖 | 100g |
キルッシュ酒(白ワインでも可) | 10g |
バター | |
<タルト生地> | |
薄力粉 | 125g |
無塩バター | 65g |
粉砂糖 | 50g |
卵黄 | 1個分 |
塩 | 少々 |
<アーモンドクリーム> | |
無塩パウダー | 65g |
アーモンドパウダー | 70g |
砂糖 | 65g |
卵 | 150g |
<カスタードクリーム> | |
卵黄 | 3個 |
砂糖 | 50g |
薄力粉 | 25g |
牛乳 | 250cc |
無塩バター | 25g |
<仕上げ用生クリームホイップ(8分立て) | |
生クリーム | 100g |
グラニュー糖 | 10g |
- スターフルーツを育てるうえで大変なことなどはありますか
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スターフルーツの大敵は虫と鳥。金城さんと大城さんも虫が発生したらひどくなる前に対処することが大切。きちんとスターフルーツを観察して虫がいないかをちゅういしているんだよとおっしゃいました。またハウスで栽培することが多いスターフルーツですが、換気のために開けておいたところから鳥が入ってきて食べてしまうそう。鳥が食べるのはおいしい証拠ですが、畑の中に仕掛けを置くなど鳥対策には苦労しているようです。
金城さん、大城さんはスターフルーツを育てるときに、農薬は使っていないのだそう。スターフルーツは皮ごと食べる果物。金城さんは「自分自身も農薬は使いたくないし、子供から大人まで、安心して食べてもらいたいと思っています」とお話してれました。
またスターフルーツは9月からの収穫の場合、5月ごろに花がつきます。スターフルーツの花はピンク色の小さな花で、ミツバチなどによって自然交配します。花のすべてに実がつくため、1本の枝に5~8個もの大量のスターフルーツが密集してなります。そのままではスターフルーツ同士で傷をつけてしまうことがあるので、実がふれあわないようにできの良いスターフルーツを残し、他の実はとってしまいます。実がついて収穫までは約90日ほどで、そのサイクルで栽培されます。
- 今後の目標を教えてください
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甘酸っぱい味わいがさわやかで、形もかわいらしいスターフルーツ。食卓にあがれば楽しく華やかな一皿になるのはスターフルーツならではの特徴です。果物嫌いのお子さんも、スターフルーツなら喜んで食べてくれそうです。金城さん大城さんは「もっとみなさんにスターフルーツの美味しさを知ってもらい、食べてもらいたい。そして南風原町がスターフルーツ栽培をひっぱっていき、美味しくて安全なスターフルーツを作っていきたい」と将来の目標を話してくれました。
- スターフルーツの食べ方
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スターフルーツの実は最初、緑色で熟していくうちに黄緑~黄色~オレンジ色へと変化していきます。全体に黄緑が強いものはまだ未熟で、ほとんど甘味がなく酸味が強いです。サラダやピクルスなどの料理用に使う場合はそのような未熟なスターフルーツを使うと良いでしょう。さっぱりしてしゃくしゃくした歯ざわりが野菜感覚で食べることができます。また、サラダの上に輪切りにしたスターフルーツをトッピングするとかわいらしい一皿にができるのもスターフルーツの良いところです。
果物として食べる場合は、実全体が黄色~オレンジ色になったものを選ぶと良いでしょう。酸味が落ち着き、甘味が出てきます。スターフルーツは収穫したあとも室温においておくと、熟が進みます(追熟する)。熟した後は冷蔵庫内で保存しましょう。
スターフルーツを食べる時に切り方で甘味が違うということはご存知でしょうか。実は熟したスターフルーツを美味しく食べるコツはきり方にあります。スターフルーツは星型の頂点(緑色)の部分と実の中心部分にみかんの薄皮のような渋い芯があります。そこを避けるように、カットして食べるのが美味しく食べるポイントです。星型の形を活かすには輪切りですが、スターフルーツの本当の美味しさを味わうには、芯以外の部分を食することが大事です。
取材日:2013.12.15