特集
- 本部町 仲井間憲康さん 仲井間憲治さん
基本情報 | |
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名前 | 仲井間憲康さん 仲井間憲治さん |
場所 | 本部町 |
作物 | 香ネギ |
農家歴 | 7年 |
本部町は約40年ほど前から在来の青ネギが存在していました。そのネギは「年中ビラ(ニンジュウビラ=一年中栽培できるネギという意味。ニンジュウ=年中、ビラ=ネギ」と呼ばれ、備瀬地域を中心に栽培されていたと言います。それが一時、生産が下火になっていたため、本部町からネギの専業農家さんがほとんどいなくなってしまいました。しかし鮮烈な香りと風味を持つ在来ネギは、そのおいしさもあり、各家庭で細々と栽培され、消費されていました。
沖縄の青ネギは、とても数量が少ないのをご存知でしょうか。その収穫の大変さゆえに青ネギ専門で育てる農家さんは少ないと言われています。その中、現在本部町では在来の青ネギの大量生産、ブランド化に向けて町をあげて取り組んでいます。平成23年、ネギ農家の座覇政友さんが朝市で販売していたのを以前から注目していた本部町の平良福町長が「本部町在来のネギを残していこう」とプロジェクトとして取り組みを始めたのです。鮮烈な香りが特徴のこの在来ネギは「もとぶ香(かおり)ネギ」という名前がつけられました。長い間家庭でのみ栽培されていた苗が株分けされ再び大量生産を実現しようとしています。
- 香ネギの生産に力を入れる生産者
- もとぶ香ネギを育てるうえで大変なことはなんですか
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もとぶ香ネギは株分けによって増殖します。また最初に植え付けする苗の状態がその後の生育に大きく影響しますので、なるべく良いものを選び、株分けして3~4本の苗を植え付けします。その後株が分けつし、全体がごぶし大の太さになった頃、収穫を行います。定植から収穫までは夏場だと約60日、冬場は40~45日ほどかかります。
沖縄では夏場は野菜の出荷量、種類ともに減ってしまう時期で、ネギも県内産のネギを食べてもらえるよう本部町の農家さんたちは夏場も含め安定した生産を目指しています。
一般的にネギ類は根の酸素要求量が高く、生育に適度な水分を与えながら、排水性が良い土作りを行うことが重要です。土から掘りおこしたとき、土がほろほろ落ちるような状態がベスト。土の中で根が充分呼吸できるような状態を保つことが大事なのです。そのため農家さんはもとぶ香ネギに合った土づくりに試行錯誤しながら取り組んでいます。
- 高齢者の活躍の場作り
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もとぶ香ネギの栽培でもっとも重要な作業といわれているのが収穫後の出荷調整です。出荷調整とは収穫したもとぶ香ネギを商品として出荷できる形に整えることです。収穫後、土を洗い落とし、根を切り、古い葉を落とす等、一つ一つの作業が細かく、手作業になるためとても時間と労力を要します。 そこで。本部町と町内の農業生産法人㈱もとぷらすでは町内の高齢の方に出荷調整してもらう取組をはじめる予定です。「出荷調整のお手伝いをしてもらうことで、まだ元気な高齢者の方に日々の生活のハリや楽しさを感じてもらうのも目的の一つ」と本部町の瀬長さんは教えてくれました。
- もとぶ香ネギのおすすめの食べ方
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もとぶ香ネギは香りが良く、通常のネギよりも葉自体が太いのが特徴。甘みがあり、ネギ独自の旨味が強いと言います。おすすめは薬味としてだけではなく、もとぶ香ネギそのものをたくさん食べることができる料理。たとえばもとぶ香ネギそのものをたくさん食べることができる料理。たとえばもとぶ香ネギの酢味噌和えや塩漬けなど、おかずとして食べると、もとぶ香ネギの良さがよりわかってもらえるのではとお話してくれました。。
ネギは薬味に、さまざまな料理に使われる料理の名脇役。食卓にはなくてはならない食材です。甘みと旨味が強く、太さもあるもつぶ香ネギは、それ自体を食べるという新しい食べ方もできるネギ。脇役ではなく、主役になってもらうことで、さらに食卓の楽しみが人がります。もとぷらすさんをはじめ、もとぶ香ネギ農家さんは、おいしく安定的な生産のために栽培努力を重ねています。一年中おいしいもとぶ香ネギが県民の食卓にのぼるのもそう遠い未来ではないはずです。
取材日:2013.11.20