特集

VIVA! ハルサー ハルサーは畑で働く人の方言名です。

楽しく元気な沖縄の農家さんをたずねて巡るVIVA!!ハルサー皆さんに代わっていろんな話をあれこれ聞いちゃいます。

竹富町の高田見誠さん(中央)

竹富町の高田見誠さん(中央)
竹富町の高田見誠さん(中央)
基本情報
名前 竹富町の高田見誠さん(中央)
場所 竹富町
作物 ジャガイモ
農家歴 4年

竹富町馬鈴薯組合 高田見誠さん。日本一早いじゃがいもの出荷を目指し、竹富町でじゃがいもを作りはじめ4年目。夢は竹富町を一大じゃがいも産地にすることです。じゃがいもは栽培のコツをつかめば大量生産しやすくて、消費者からのニーズも高い。」そんな気持ちからはじめたじゃがいも栽培も、最初は試行錯誤の連続でした。種芋が全く芽吹いてくれなかったときは本当にショックをうけたと言います。「普通だったらじゃがいもの栽培をあきらめてもおかしくない状態のときもあったんだよ」と周囲の人が話すほどの状況でも、じゃがいも栽培を続ける姿に、高田さんを慕う若い仲間が多く集まっています。

竹富町の高田見誠さん(中央)

竹富町のじゃがいも

ニシユタカという品種で九州を中心とした日本の西南地域での栽培に適しています。形は球形で、皮は薄く、果肉は淡黄色でなめらかな食感が特徴。竹富町ではこのニシユタカを「日本一早く出荷する新じゃがいも」にしようと取り組んでいます。新じゃがいもは品種ではなく春先に収穫されるじゃがいものことを言います。竹富町じゃがいもは西表の豊かな環境と強い日差しに育まれた栄養たっぷりのじゃがいもです。竹富町で収穫され、県内に出荷されるため、新鮮でみずみずしい美味しさが特徴です。

日本一早い出荷を目指して
日本一早い出荷を目指して

ハルサーさんにインタビュー!

じゃがいも栽培で気をつけていることはなんですか

竹富町(西表島)の海風のミネラル分、西表の強烈な日差しが栄養たっぷりの力強いじゃがいもを育んでいます。また雨風に弱いじゃがいもにとって、11月ごろまで強い台風が来ることもある西表島での栽培は、、沖縄本島以上に影響が大きいといいます。台風の通り道でもある西表でじゃがいもを育てるには雨風の対策が必要不可欠です。強い風で葉っぱ同士がこすれると傷がつき、そこから病気になってしまうことから、畑のうねとうねの間にさとうきびを植え、防風の対策をしたり、強い紫外線から土の中で良い働きをしてくれる微生物を守るために、、マルチと呼ばれるビニールで土を覆ったりするなどを、試験的に行っています。これまでの取り組みが少しずつ実を結び、じゃがいもの収穫数や品質の向上に繋がっています。

竹富町じゃがいも栽培のこれから
竹富町の味わいの特徴は何ですか

なめらかな食感が特徴。すぐ煮えて火が通りやすいが煮崩れしにくいため、お味噌汁や煮物、定番のカレーライスにもぴったり。地元では、じゃがいもをラップでつつみレンジで加熱し、マーガリンなどをつけて食べる。のどに詰まる感じがなく、さらりとした口どけで優しい味わいです。

防風対策は必要不可欠です
栽培のポイントは何ですか

水はけの良い土質が良いので、畑作りには力をいれています。良いじゃがいもを作るために、種芋からまず太いしっかりとした茎を芽吹かせ、育てることが重要です。じゃがいもは種芋から収穫するまで約3ヶ月間の生育期間があり、最初の2ヶ月間でどれだけじゃがいもにたっぷり栄養を吸収できる環境を作るかが大事なのだそう。強烈な太陽の光を受けて、あっという間に成長してしまう竹富町のじゃがいもは、種芋の芽吹かせ方、いつ有機堆肥をいれるか、どんな栄養を与えてあげるか、そのタイミングを見極めることが最も大事でもあり、難しいところです。

竹富町を一大産地へ

ライター後記

高田さんの頑張りを受け、西表島をじゃがいもの一大産地にしようと地元竹富町でも協力の動きが生まれています。行政との連携で、苗を植えマルチを張るなど一連の植え込み作業が一発で出来る植え付け機が導入されています。  またじゃがいもの生育過程で相談できるパートナー業者さんの存在や、実際に一緒にじゃがいもを育てる若い方たちの数も増え、町が一丸となって一大生産地への実現に向かっています。

竹富町の高田見誠さん

取材日:2011.02.11