特集
- 大城芳龍さん
基本情報 | |
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名前 | 大城芳龍さん |
場所 | 豊見城市 |
作物 | アーウィン(マンゴー) |
農家歴 | 8年ほど |
今回は、沖縄の果物の王様「マンゴー」を、豊見城市で生産している大城さんの農園におじゃましました。大城さんはご家族でマンゴーを栽培されています。現在農家歴5年目。年間約5トンを出荷しています。
まず畑に入ってから目をひいたのが、紙袋に包まれたマンゴー。2月ごろから実をつけますが、5月初旬ごろから一つ一つ手作業で袋に包むそうです。袋に包むのは、日焼けを防いだり、キズや虫をつかないようにするためのもの。日焼けをしてしまうと、実自体が真っ黒になってしまうそう。袋の中でさらに一回りほど大きくなり、収穫のときを待っています。包む袋にも薄いものや厚いものいろいろ種類があるそう。ただ、マンゴーはとっても繊細なので、袋の内側はつるつるになっていてキズがつかないように配慮されているそうです。
※このマンゴーはイオン・マックスバリュ各店舗で販売しています。
(一部店舗を除く)
- 大事に袋に包まれているマンゴー
- マンゴーが育つまで
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毎年2月ごろになるとマンゴーは花を咲かせます。
マンゴーの花は小さな薄黄色の花で、花の数としては一つの枝に150~200ほど。
3月ごろになると畑の中にミツバチをはなし、ミツバチによる交配が行われ、たくさんの実がつきます。
農家さんはその中から丈夫で元気そうなマンゴーの実を選び、それ以外は間引いていきます。一つの枝に1~2個を残すことで、十分な栄養をもらいながら丸々とおいしく育つのです。
実がついてから100日程度(6月くらい)で収穫されます。大城さんの畑では年間1万2000個以上、約5トンのマンゴーを出荷しています。
- 初収穫まで5年から6年もかかる
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マンゴーは初めての収穫までとても時間のかかる果物です。
まず種を植えて苗木になるまで2.3年かけて育てます。
そうして畑に植えてから3年かかってようやく実がつくようになるのです。ですので、マンゴー農家さんは最初マンゴーの木を育てることに注力します。実がつくようになると、10数年から長いもので20年余りに渡りおいしいマンゴーを生育することが可能です。
- 繊細なマンゴーを丁寧に育てています
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マンゴーは暑さに弱く、ハウス内を適正温度の30度以下に保つため、毎日ハウスを開け閉めして温度を調整しています。また葉が長時間こすれるだけでも傷ついてしまう繊細さなので、丁寧に収穫します。熟すると実が落ちてしまうので、収穫のタイミングを見極めることも大事です。収穫したばかりのころは樹液のようなものが付着していて、その液がマンゴーを傷めてしまうので、樹液の出る切り口を下にして一日半ほど冷蔵庫で保存します。贈答品に使われることの多いマンゴーは見た目もきれいに出荷することに力を入れています。
- 木のメンテナンスも大事な仕事
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年に一度収穫を行うマンゴーですが、大城さんは収穫がない間も木のメンテナンスが大事な仕事とおっしゃいます。適切な水やり、枝の伸び具合を確認したり、勢いのある枝か切るほうがいい枝かを判断し、枝きりを行います。切りすぎても花がつきにくくなるなど、経験に左右される作業。次のマンゴーの収穫を左右するので、気が抜けない仕事です。
一年を通して、マンゴーのメンテナンスを行い、試行錯誤しながら良いマンゴー作りに取り組んでいます。
マンゴーの里と言われる豊見城市では学校給食にマンゴーが登場するそうです。小さいころから豊見城市がマンゴーの産地であることを教え、地元産マンゴーの美味しさを体験してもらっているそうです。あわせて農家さんがどのようにマンゴーを作ってるかも伝え、食育にも繋げています。地元が一体となってマンゴーを大事にしている豊見城市が一体となってマンゴーの普及やブランド化に取り組み、盛り上げていっていることが印象に残った取材でした。
取材日:2012.06.13