特集
- 東江さん
基本情報 | |
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名前 | 東江さん |
場所 | 八重瀬町 |
作物 | ピーマン |
農家歴 | 10年 |
今回のVIVAハルサーは八重瀬町でピーマンを生産されている皆さんの紹介です。
みなさん八重瀬町はピーマンの一大産地だということを知っていますか??今回は驚きのピーマンに出会うことができました。
ハウスの中に入ると、ピーマンの苗木が青々と生い茂っています。そこに生っているピーマンを見つけると、第一印象は「大きい!」。一般的なピーマンが子供の握りこぶしで八重瀬のピーマンは大人の握りこぶし程の大きさ。2回りくらい大きな印象を受けます。農家さんは「大きいのが八重瀬のピーマンの1つ目の特徴。2つめの特徴が肉厚でみずみずしいこと。もいで食べてみる?」と言うので、そのままもいで、生のままがぶり。すると、全然苦くない。それどころか最初はさわやかな甘ささえ感じる食べ味。ピーマンを見ると内部は水分で十分に潤っているのがわかります。けれど柔らかすぎるわけではなく、しゃきしゃきとした食感。火を通せば甘さはそのままにやわらかく仕上がるそうです。ピーマンがそんなに好きというわけでもない私がすっかり感動した品種が、「ちぐさ」というピーマンでした。
- 大人の握りこぶし程の大きさ
- 大事なのは土作り
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農家さんが一番力を入れているのが土作りです。自宅で育てた苗を植える前に、畑の土を熱処理し、悪い菌を殺菌するのですがそれが大変な重労働です。まず1ヶ月間、緑肥植物を植え、ちぐさに不必要な余分なものを吸収させます。緑肥植物を抜いた後、地中1m位まで土を掘り、表面の土と地中の土混ぜ替えます。これを天地返しと言います。その後、2~3週間、菌を殺すための肥料を土に混ぜ合わせ熱処理を行います。これを行うことでちぐさを育てるのに合った土ができ、成長に大きな違いが生まれます。
ただこの作業は、重労働のため、年配になればなるほど難しくなると言われます。「しかし毎年毎年おいしいちぐさを収穫するために、土作りは欠かせない作業」農家さんはお話ししてくれました。おいしいピーマンの見分け方をお聞きしたところ、深い緑になったら食べごろです。100g~120gの大きくて固い手触りのものが辛味が少なく甘くておいしいです。おすすめはやはりサラダ。シャキシャキパリパリな食感です。火を通すと柔らかく、甘みはそのまま、肉厚のボリュームある食べ応えです。大きいので料理もしやすいと評判です。
- 「ちぐさ」が育つまで
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ちぐさは、7月ごろ種まきが始まります。8月には苗にまで成長し、収穫できるまでおよそ70日かかります。10月ごろから初出荷が始まり、それから8~9ヶ月にわたり収穫が行われ消費者の元に届くことになります。
生産中に気をつけているのは、湿気と温度。ちぐさにとっての適温は18~23度。ハウス内をその温度に保つように、1800坪ものハウスを一人で換気をしているそうです。
- 「ちぐさ」は八重瀬の誇り
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農業では後継者がいないことが心配の種として取り上げられることがありますが、八重瀬のピーマン農家では順調に後継者が育っているとのこと。20代の農家2世も多く誕生しており、またリタイヤ後の第2の人生としてピーマン農家を選ぶ方も増えてきているようです。それはピーマンの産地として、各農家の方々が育て方のノウハウをお互いに共有したり、専門家を呼んで勉強会などを頻繁に行っているため。
「八重瀬では、農家さん同士や地元の人々の横の繋がりが強いので、農業を始めることに不安は少なくないのかもしれませんね」とお話してくれました。みんなでおいしいピーマンを作り、産地を盛り上げていこうという運命共同体のように強く結びついています。
先日、八重瀬町の桜祭りに行ったとき、八重瀬の小学校のお絵かきには八重瀬の特産品がいっぱい。その中でもピーマンの絵(P-MANという手作りキャラクターまで!)がたくさんありました。八重瀬の子供たちはちぐさが大好きということがそこにもあらわれている気がしました。実際、ちぐさしか食べないという子供もたくさんいるようです。こんな力を秘めているちぐさ。店舗で大きなピーマン「ちぐさ」を見つけたらぜひ手にとって食べてみて下さい。感動の味が待っていると思います!!
取材日:2012.03.02