特集
- 比嘉繁森さん 2011.08.17
基本情報 | |
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名前 | 比嘉繁森さん |
場所 | 名護市屋部 |
作物 | ゴーヤー |
農家歴 | 30年ほど |
今回は、先祖代々の土地で農業を営んでいる比嘉さんの畑へおじゃましました。名護市街からもほどちかい、600坪の農地に植えられているのはゴーヤー。沖縄を代表する島野菜についてあれこれ伺いました。
比嘉さんのハウスで栽培されているのは、沖縄県のゴーヤー品種、群星(むるぶし)と汐風。ゴーヤーは通常45日から50日、冬場は60日から70日で出荷できるほどに育ちます。
ところが今年は台風がもたらした塩害で、野菜農家は軒並み甚大な被害を受けることに・・・
比嘉さんの畑も例外ではなく、ゴーヤーがほとんどダメになってしまったそうです。
台風がやって来る天気予報が出ると、立体に仕立てているゴーヤーをネットごと地面に倒して被害が最小限になるようにするそうですが、塩害のひどい台風の時はあまり効果がなく、その被害をふせぐことは出来ないそうです。
現在比嘉さんの畑では、台風の後に植えられた夏盛という品種が最盛期。取材時はツヤツヤとした出荷時期を迎えていました。
沖縄のゴーヤーはさまざまな品種が研究開発されていて、旬の夏場を中心に、1年中栽培、出荷されています。
- 旬の夏場を中心に1年中栽培、出荷されています。
- 家庭菜園での育て方をきいてみました
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栽培農家の仕立て方は立体仕立て。ネットに縦に這わせる栽培方法です。
家庭でも室内温度を下げるグリーンカーテンとして栽培する場合は、プランターに植えてネットや張られた紐にツルを這わせる方法が一般的です。
土は水はけの良い土を使い、こまめに水やりをするのがコツだということでした。また、ゴーヤーは温度が上がりすぎてもあまり良く育たない野菜なのだそうです。昔は棚仕立てにして、棚に這わせる栽培方法が取られていました。この方法だと棚の下に空間ができ、日陰になるため地表温度も下がり、ちょうど良い育成温度になるそうです。
農家では収量の関係でこの方法はとられなくなりましたが、ご家庭でスペースのある方は、是非この方法をお試しください。
- ゴーヤー農家おすすめの食べ方
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比嘉さんお勧めはやはりゴーヤーチャンプルー。ゴーヤーチャンプルー以外ではゴーヤーの和え物が簡単でお勧めとのメニュー。
ゴーヤーと玉ねぎを薄くスライスし、ツナ缶と混ぜ、ポン酢をかけて和えると出来上がりです。
また、ゴーヤー農家ならではというレシピがゴーヤージュース。ゴーヤージュースは、比嘉さんの家の夏の定番なのだそうです。
作り方はゴーヤーを丸のまま使い、ツブの部分だけおろし金に当たるようにおろします。使うのはツブの部分のみ。おろした原液を冷蔵庫で保存しておいて、飲むときに水で好みの濃さに薄め、はちみつを足して飲むそうです。ビタミンCの補給もバッチリですね。
- おいしいゴーヤーの見分け方
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ゴーヤーはみずみずしさが一番。やはり表面のツブが張っているものが良いそうです。水分を十分にすったゴーヤーはツブが大きく張っているそうで、苦みも柔らかいそうです。
ゴーヤーのツブは熟するにつれて大きくなるそうで、苦いゴーヤーが好きな方の場合は、ツブが小ぶりなものを選ぶと良いということでした。ゴーヤーを買ってすぐに食べない場合は、縦に二つに割り、中の種をとり新聞紙でくるんで冷蔵庫で保存すると日持ちがします。
今年は台風の当たり年ということで、被害の大きかったゴーヤー農家。一時は市場からゴーヤーの姿が消えていましたことも…。沖縄でゴーヤーがないのはなんとも寂しいもの。何度もくる台風にもめげず植えつけをするゴーヤー農家さんに、ゴーヤー好きとしてエールを送りたくなった一日でした。
取材日:2011.08.17