特集
- 宮城安雄さん スミさんご夫妻
基本情報 | |
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名前 | 宮城安雄さん スミさんご夫妻 |
場所 | 糸満市 |
作物 | ニンジン |
農家歴 | 40年くらい |
今回はニンジンの生産農家さんを訪ねて、一大産地である糸満市に行ってきました。中でもニンジン農家が200戸ほど集まっている喜屋武地区で、40年以上に渡りニンジンを生産している宮城さんにお話を伺うことができました。宮城さんはまだあまり物が豊富でなかった時代に、戦争で大黒柱を失い、一家をささえる母親の手伝いからニンジン作りを始められました。今では長年の経験から、作物に対する雨や台風の影響も熟知していて、周辺農家の心強いアドバイザーでもあります。
沖縄本島南部に広く分布している島尻マージ。
この土は水はけが良く、ニンジン栽培に最適だという事。
そのうえこの地域では海風が運ぶミネラル分も豊富で、糖度の高い、質の良いニンジンができるのだそうです。
出荷は12月から5月ごろまで。糖度が8度ほどあり、ジュースにしても甘くておいしいのが特長です。
- 収獲されたニンジンたち
- 工夫しているのはこんなこと
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水はけの良い土地は、雨の少ない年にはかえってデメリットになります。
植え付け期の8月は真夏。1ヶ月も水がないときは、車で水を運んで散水するのだそうです。また、ニンジンは苗を植えるのではなく、畑に直接種を植える作物。
難しいのは、この種をうまく発芽させることなのだそうです。種を発芽しやすい深さに植え、また満遍なく発芽させる技術について、色々と工夫と改良を重ねられたとか。
その努力のかいあって、今は種を発芽用テープの中に埋め込み、それをテープごと畑に埋めていく方法が取られています。
この方式だと発芽だけでなく間引きの手間もかからず、農家の負担が軽くなったというお話でした。
- おいしいニンジンの見分け方
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畑にいらっしゃったスミさんに伺うと、茎の直径が小さいものを選ぶとおいしいということです。
茎が細く締まっているものが良いそうです。
- オススメの食べ方
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やはりお勧めは「ニンジンシリシリ」。
ご夫婦で畑に出ているので、作るのに手間がかからなくておいしいよ、とのこと。ニンジンはシリシリにおろし器でおろしておいて、袋詰めにしておくと、もっと便利ですよというお話でした。
その他のおすすめとしてはニンジンカステラ。
小麦粉と卵、ニンジンを使い、蒸してつくります。スミさんによると、この時に水を一滴も使わず、ニンジン果汁で小麦粉を溶くと風味が増しておいしいとのことでした。
糸満では毎年2月3日を「にんじんの日」と決めて、さまざまなイベントを行っています。
今年も喜屋武地区では幼稚園児などが集まり、ニンジン掘りを行ったそうです。
以前は子供が苦手な野菜としてニンジンが良く上がっていましたが、最近はニンジンの糖度があがり、ニンジン嫌いな子供も少なくなったようです。
宮城さんはイベントの時、子供たちを土に触れさせて、土の不思議さや良さも説明されているそうです。
いつも新しいものに挑戦している素敵な宮城さんご夫妻でした。
取材日:2011.02.07