コラム おいしい沖縄
豚は鳴き声以外はすべて食べつくす①
沖縄では豚を頭の先から足の先まで
無駄なく(皮も血も内臓まで)見事に食べる食文化があります。
14世紀頃、冊封使の接待のために沖縄に豚肉が導入され、きびしい暑さ
をのりきるためにスタミナのつく肉類をとることなどから嗜好や習慣として
豚肉の食文化が生まれたようです。
その頃から飼育も盛んになり、ほとんどの農家で豚を養っていたそうです。
正月やお盆おが近付くと、ほとんどの家庭で一頭の豚を屠殺し、
ごちそうを作ってきました。
地域によって違いがありますが、私の叔母から教えて頂いた事を紹介します。
12月29日頃に海で豚を屠殺し、部位ごとに塩漬けにして貯蔵し、
正月に肉や中身(内臓)や血などを使いごちそうを作り、1月7日にはチラガー(顔)と大根を煮て食べ、
1月16日(グソー(あの世)の正月)に正月と同じようにごちそうを作り、
1月20日にアシティビチ(足)と押し麦を煮て食べ、豚一頭を食べつくしたそうです。
叔母は今でも昔と同じように正月から1月20日まで(正月以外は旧暦で)
豚肉や部位を買ってきて料理を作っています。
(今は屠殺は屠殺場でしか行われていません)
今でも沖縄では、正月やお盆、お祝いや法事など行事毎に豚肉は欠かせません。
盛り付けでの決まりごともあります。(地域によって違いはありますが・・・)
三枚肉は、お祝いの時は皮の部分を下にする。
法事の時は皮の部分を上にする。
などの盛り付け方をします。
沖縄での豚の利用法は、日常の生活の中でもまだまだあります。
次回はその利用法を紹介したいと思います。
お楽しみに・・・
島やさい工房「かめさんといっしょ」
島袋 都子
2012/06/20