コラム おいしい沖縄

コラム おいしい沖縄

頑丈なかつおぶし

頑丈なかつおぶし

沖縄の鰹節は頑丈です。正確に言うと沖縄の削り節は頑丈です。
出汁をとるのに欠かせない鰹節。
その昔、昭和30年代ごろまでは鰹節を買ってきて、家で使う分だけ削るのが普通でした。
今でも料理屋など和食を出すところは、そうやって削っているところもありますが、一般家庭ではすでに削られたものを購入することがほとんどではないでしょうか。

その削り節なのですが、県内で売られているものは厚削りが主流。
一般的なお料理番組などで見かける削り節より、圧倒的に分厚いと考えていただければいいと思います。
お料理番組では、ざる一杯の削り節使い、沸騰したお湯にいれてサッと取り出すというのが普通。
そうやって上品な一番だしを取ると、学校の調理実習でも教わったように記憶しています。
しかし沖縄の削り節は分厚いのです。そんなにさっと引き上げたら出汁もでません。
しばらく煮立たせてしっかり出汁をとるというのが沖縄風。

沖縄料理の出汁というと豚だしだと思われがちですが、実は豚だしと同じく鰹出汁を使うことも多いのです。鰹の鮮魚は沖縄でも盛んに獲れ、鰹節の生産も行われいます。
なにより驚きなのはその消費量。なんと統計局の家計調査によると鰹節の消費1位は那覇市。
2位の浜松市に2倍以上の差をつけて堂々の1位なのです。
いかに県民が鰹出汁が好きかがわかります。

鰹節の話というと、はずせないものにカチューユがあります。文字通り鰹湯という意味なので、料理と言うほどのものではないのですが、昔は風邪気味のときによく飲んだと言います。お椀に削り節を入れてお湯を注ぐだけという簡単なもの。
家によって、味噌を少量いれたり、ネギを入れたりもするようですが、今でいうインスタント味噌汁でしょうか。こちらは薄く削ったもののほうが良く出汁がでます。
削り節の量はお好みで、忙しい朝にちょっと試してみるのはいかがでしょうか。

福田 芽久美

2012/05/25