コラム おいしい沖縄
ふ、ふ、ふの話
みんなが大好きな
チャンプルー。で、チャンプルーっていうと...。
王道はなんといってもゴーヤーチャンプルー。
ゴーヤーが無いときは、これまた定番のトーフチャンプルー。
そしてマーミナチャンプルーとかタマナーチャンプルーとかチャンプルーも色々ありますが、
今回は定番メニューでおなじみのフーチャンプルーのお話。
麩を炒め物にするというのは、いったい誰が考えたのでしょう。
本土でいう麩とは、お味噌汁の具というのが一般的なのではないでしょうか。
すき焼きや煮物に入れることはあっても、炒めることはほとんどしないのではないかと思うのです。
生麩というものもあり、こちらは上品な懐石料理のイメージ。
炒めるなんてとてもとてもできるものではありません。
そんな身近だけど今ひとつ主役になりきれない麩を、主役にしちゃうのがフーチャンプルーなのです。
ここで使われる麩は車麩とよばれる種類。
金属の棒に麩を巻きつけて焼く大きな竹輪のような麩です。
調べてみると沖縄以外では北陸などでも食べられているそう。
ちょっと困ってしまうのはその大きさで、沖縄ではカットされずにそのまま売られていることが多く、使い残した分がかさ張るのが難点。
ただし、最近は技術の進歩で圧縮された車麩も出てきているようです。
沖縄では立派に主役を務めている麩。
見た目は栄養がなさそうですが、実は栄養満点の食品なのです。
小麦粉のグルテンを使って作られているので、たんぱく質が豊富。
フーチャンプルーを作る場合は、水に戻してから軽く絞り、卵汁に浸して炒めます。
野菜もいっぱい入ってヘルシーですが、なによりの特徴はその食感。
フワフワとした歯ごたえで、噛めば卵の風味がジュワッと口いっぱいに広がります。
食感のせいか、子供たちにも人気のあるフーチャンプルー。
車麩ならではの醍醐味です。手にはいったら是非お試しを。
福田 芽久美
2012/04/27