コラム おいしい沖縄

コラム おいしい沖縄

眠れない夜はゆっくりお茶の話でも

眠れない夜はゆっくりお茶の話でも

沖縄のお茶として多くの人が思い浮かべるのは、たぶん「さんぴん茶」ですよね。では、「さんぴん茶」って何か?というと、中国茶の一種なのです。お茶の包みには「茉莉花茶」とも書かれているのですが、この茉莉花ってジャスミンのことなのです。紅茶として楽しまれているジャスミンティーと同じ、花の香りがついたお茶です。
後味がさっぱりしていて爽やか、夏の暑い時期やこってりした料理を食べた後に最適です。

伝統的な沖縄料理との相性はバツグンで、沖縄県民に深~く愛されています。そのため他県では見られない光景に出会うことになります。自動販売機はもちろん、スーパーやコンビニなど色々なところでさんぴん茶を買うことができるのです。
さんぴん茶は、日本茶やウーロン茶と同じように、ドリンク缶、ペットボトル、紙パックにもなっていて、棚にずらっと並んでいます。いろんなメーカーがさんぴん茶を販売していて、一つの棚の中に何種類もあるのでどれを買おうか迷うほどです。

ちなみに有名どころのメーカーだと、沖縄ポッカ、沖縄コカコーラ、沖縄伊藤園、沖縄バヤリースなどなど。そのほか、各大手スーパーのブランドや、地元企業まで競いあうように販売されています。
中身は同じさんぴん茶ですが、メーカーごとに工夫を凝らしているのか、飲み比べてみると確かに微妙に味が違います。自分の好みのブランドを探すのも面白いかも。

県内では、さんぴん茶だけでなく、麦茶や緑茶も良く飲まれていますが、最近は健康に気を使う人が増えたせいか、従来のお茶に加えて健康茶の人気がうなぎのぼりです。
昔から地元の人が飲んでいたものや、あたらしく商品として開発されたものなど、次々といろんなお茶が製品化されています。中でも有名なのは、生薬としても人気のあるウコンをお茶にしたウッチン茶。ウコンを煎じて飲むのは大変ですが、ドリンク缶やティーバッグとして商品化されているのでお手軽に楽しめます。

グヮバ茶、ヨモギ茶、ゴーヤー茶は、沖縄で普段よく見る馴染みの葉や食材を乾燥させたもので、材料があれば家庭でも作れる庶民のお茶です。ノンカフェインなので体にやさしいのが特徴です。
月桃茶はサンニンとも呼ばれる月桃(ゲットウ)の実や葉を使ってお茶にしたもの。ポリフェノールが多く含まれているということで注目されています。あざやかな赤い色が印象的なハイビスカスティーは、ローゼルという種類の実を使ったもの。美しい花のイメージそのままで、ほどよい酸味が特徴です。ハーブティーとして楽しまれています。

たくさんの健康茶がある沖縄ですが、最近注目されている健康茶といえばクワンソウ茶。クワンソウは和名をアキノワスレグサと言って、オレンジ色のユリのような花が咲く植物です。沖縄では昔からぐっすり眠りたいときに、茎の部分を料理して食べるといいと言われてきました。
昔の人の知恵がまた健康茶として再認識されているようです。

眠れない夜にはクワンソウ茶をゆっくり飲むと、ぐっすり眠れるかもしれませんよ。

福田 芽久美

2011/05/31