特集
- 池宮城秀雄さん
基本情報 | |
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名前 | 池宮城秀雄さん |
場所 | 本部町伊豆味 |
作物 | タンカン |
農家歴 | 20年くらい |
今回は本部町伊豆味でみかんを生産している池宮城さんのところへおじゃましました。池宮城さんは農家歴20年あまり、タンカンのほか、青切りみかんや大紅など10種類のみかんを3000坪の土地で栽培しています。
沖縄のみかんといえば山が多い本島北部というイメージがありますが、みかん類は日当たりや水はけが良いという理由で、斜面に栽培されることが多いようです。
タンカンは、沖縄では1月から3月にかけて出荷されています。タンカン狩りができる観光農園も人気があり、手軽なレジャーとして親しまれています。
池宮城さんによると、タンカンは自分で実をつける量を調節しているというお話。花が咲いて、摘果をしなくてもその木にみあった量の実をつけるということでした。
- その木にみあった量の実をつけるということです
- タンカンを本土でも食べたい!
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手入れ次第で、1本のみかんの木の寿命が延びたり、縮んだりするそうです。そこで、肥料や土づくりを工夫しているのは勿論なのですが、どうしてもタンカンの表面に黒いそばかすができてしまうのが悩みの種なのだとか。
丹精こめて収穫したタンカンが、見た目の悪さで本土ではあまり売れず、そのため沖縄産タンカンの知名度がなかなか上がらないそうなのです。
以前青森から観光にきた人がタンカン狩りをしたところ、とても美味しいと感激し、それ以来毎年送ってくれと依頼がくるというお話も。県民なら誰でも知っているタンカンのおいしさを、本土でももっと知って欲しいと願っているそうです。
- おいしいタンカンってどう見分けるの?
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美味しいタンカンの見分け方ってありますか?と聞いたところ。「食べてみてください」とのお返事! つまり見た目ではあまり分からないのだそうです。その代わり、食べてみて美味しいと感じたタンカンなら、その生産者のものは同じ手入れをしているのでハズレがないそうです。
また、美味しいと感じたタンカンと同じ地域で生産されていたら、気候条件が同じなので美味しさも期待できるとのことでした。近年は産地や生産者を書いて販売している所も多いので、ラベルのチェックもお忘れなく。
- オススメの食べ方? むき方?
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おすすめの食べ方というとやはり生食が一番ということで、今回は皮のむき方を教えてもらいました。
かんきつ類の皮むき器があれば一番いいのですが、無い場合は小刀やキッチンバサミなどを、刃先を5ミリほど出す感じで握ります。そしてここからがコツなのですが、タンカンのヘタの周りを直径4~5センチの円を書くように切れ目を入れます。そしてその部分を最初に取り外します。
それから房に沿って縦に切れ目を入れていき、順番にむいていけば簡単に中身を取り出すことができます。硬い皮をもったかんきつ類なら、応用が利きそうなので、是非お試しください。
池宮城さんの農園のタンカンは、糖度が13度くらいあるそうです。タンカンはかんきつ類の中でも酸味が少なく、甘みを強く感じる種類です。生で食べてもおいしく、ジュースにすると自然の甘みだけで最高級のおいしさです。
池宮城さんに今後の課題はとお聞きすると、「いかに農薬を使わず、手間を掛けることで見た目も良いタンカンを作れるか」というお返事。食の安全を重視し、品質にも妥協しない熱いハートが感じられた取材でした。
取材日:2011.01.26