「沖縄の主な水産物と漁法【マグロ編】」
今回は沖縄の主な水産物と漁法【マグロ編】についてお話しします。
沖縄県の水産物の水揚げ量、第2位のマグロ。お魚だけで言うと1位?
沖縄は生鮮マグロの産地ということは皆さんご存知でしたか?
マグロと言えば、築地、大間、三崎などが有名ですが、
沖縄県のマグロの漁獲量は全国3位なのです。
沖縄近海でマグロが揚がるため、冷凍せずに鮮度の高いマグロを出荷することができます。
恵まれた土地柄にも関わらず、認知度が低いため多くのマグロは本土に出荷されてしまいます。
それを打破するために沖縄県では「美ら海まぐろ」という名前のブランド化を進めています。
沖縄県の多くの人が生マグロの魅力に気付いて美味しく食べて欲しいですね。
次にマグロの漁法についてお話しします。
一つ目に「はえ縄漁業」です。
はえ縄漁業とは、2,000本以上の釣り針のついた縄を横に張っていき、
魚がかかるのを待って釣り上げる漁法です。
漁の流れとしては...
①投縄作業
幹縄に餌(イワシなど)の付いた枝縄(はえ縄)を結びつけ、約5時間かけて海中に投げていきます。
その長さは約100kmにも及びます。縄が絡まないよう、注意しながら人の手で作業します。
②揚縄作業
投縄作業から4時間程待ち、作業を開始します。巻き上げ機で縄を巻き上げ、
魚がかかっていると人の手で引き上げていきます。
投縄作業が5時間程かかるのに対し、揚縄には10~15時間かかる事もあります。
漁獲されたマグロは船で、エラ、内臓、ひれを取り除き、血抜きをして魚槽に収めます。
もう一つの漁法として「パヤオ漁業」というものがあります。
「パヤオ」とは「浮漁礁」という魚を集めるために海面に浮かべた人工漁礁のことで、
浮漁礁を利用した漁業が盛んなフィリピンでの呼び方です。
このパヤオに魚が集まってくるのですが、何故ここにパヤオに魚が集まるかは諸説あります。
回遊性の魚類は浮いているものに集まる癖がある事や、パヤオに付着したプランクトンを食べる魚が集まり、その魚を食べる為に中型、大型の魚が集まる、等が考えられます。
設置されている場所は水深1,000m以上の沖合で、船で片道1時間程かかります。
漁法は様々です。
①フカセ釣り
ウキなどを使用せず、竿と糸と針と餌の重さだけで餌を水中に沈めて釣る方法です。
同時にマキエを撒き、一緒に潮流に乗せ、魚を狙います。
②曳縄釣り(トローリング)
擬似針をつけた釣り糸を何本も船へつけ、船を走らせながら魚を獲る方法です。
竹竿などに取り付け、糸がもつれないよう感覚を取りながら取り付けます。
パヤオは流木に集まる魚の習性を利用して人工的に作られましたが、昔パヤオがない時代は、流木を探し、何時間も船を走らせてマグロを探していました。
「同じ所に流木があったらいいな」という漁師さんの考えで、アンカーにロープを付けたウキを固定して浮漁礁を作ったという歴史があるそうです。
今回は以上になります。次回もおたのしみに!!